業務委託とは?

業務委託とは、企業が特定の業務をフリーランスや外部の事業者に依頼する契約形態です。
業務委託には、成果物の完成を目的とした「請負契約」、継続的な業務の依頼をする「委任契約」「準委任契約」の3つがあります。
それぞれ特徴が異なり、依頼する内容に応じて選ぶことが求められるので、詳しく見ていきましょう。
請負契約
請負契約は、成果物の完成を目的とした契約形態です。受注者が成果物を完成させる責任を負い、発注者はその成果物に対して報酬を支払います。
例えば、Webサイトの制作やシステム開発、SEO記事の作成などの業務が該当します。
自社で必要な成果物を明確に共有し、業務の完成を確約したい場合には、請負契約が適しているでしょう。
委任契約
委任契約は、特定の業務や法律行為を依頼する契約形態です。弁護士への法律相談や税理士への税務処理の依頼などが該当します。
受注者に業務遂行の義務はあるものの、成果物の完成を保証するものではありません。そのため、柔軟に業務内容を調整できる一方で、責任範囲を明確に定めることが重要です。
準委任契約
準委任契約は、委任契約と同様に、継続的に業務を遂行してもらうことを目的とした契約形態です。専門資格が必要ない業務を依頼する際に使用されます。
例えば、システムの保守やコンサルティング業務、事務サポートなどが該当します。
契約社員とは?

契約社員とは、企業と期間を定めた雇用契約を結び、特定の業務を行う人材のことです。法律上では「有期契約労働者」と呼ばれます。
正社員と異なり、雇用期間が限定されているのが特徴です。
契約期間は1年以内で設定されることが多く、原則として最長でも3年間とされています。ただし、条件を満たす場合は、特例として5年間の契約も可能です。
また、同じ会社で契約期間が通算5年を超えた場合は、本人の希望により「無期労働契約」に転換されるルールが設けられています。
給与形態は、時給制や月給制など、企業側で柔軟に設定可能です。また、正社員と同様に社会保険や労働保険が適用されます。
一方で、契約期間が終了する際のトラブルを防ぐために、契約更新や終了に関する基準を明確にしておくことが大切です。
特に、契約更新時の判断基準や雇止めの理由を文書化しておくことで、企業側のリスクを軽減できます。
業務委託と契約社員の違い

業務委託と契約社員には、法的な位置づけや契約内容の面で大きな違いがあります。
自社に合った人材を適切に活用するためには、両者の違いを理解し、それぞれの特徴を把握することが重要です。
ここでは、「契約形態・期間」「報酬形態」「社会保障」「勤務時間・場所」の4つの視点から詳しく解説します。
契約形態・期間
業務委託は、成果物の完成や特定の業務の遂行を依頼する契約形態です。
プロジェクト単位や成果物の完成までなど、契約期間は自由に設定可能です。業務の専門性が高い場合や、特定の期間だけ依頼したい場合に適しているでしょう。
一方で、契約社員の契約期間は、例外を除いて原則として最長3年です。
同じ企業で契約を更新し続け、契約期間が5年を超える場合は、「無期転換ルール」が適用されます。契約社員が希望した場合は、無期雇用に切り替わり、企業は拒否することができません。
報酬形態
業務委託の報酬形態は、契約形態によって異なります。請負契約は、成果物の納品を持っての支払い、委任・準委任契約は時給制や月給制が一般的です。
企業は、業務の進行や完成に対して直接的なコストが発生しますが、雇用保険や社会保険などの負担義務はありません。
一方、契約社員に対しては、労働時間に基づいて報酬を支払います。固定給制や時給制が一般的で、労働基準法に基づき残業代や休日手当なども支払う必要があります。
社会保障・保険
業務委託では、社会保険(健康保険・厚生年金)や、労働保険(雇用保険・労災保険)は適用されません。
そのため、受注者は個人で国民健康保険や国民年金に加入します。企業側としては、社会保障費用の負担がない点がメリットです。
一方、契約社員は正社員と同様に、社会保険や労働保険が適用されます。企業は保険料の一部を負担する必要があり、福利厚生のコストが発生します。
勤務時間・場所
業務委託では、基本的に企業から勤務時間や場所の指定はできません。ただし、業務内容や進行上の必要性に応じて、企業と受注者の合意のもと、勤務時間や場所を設定する場合はあります。
一方、契約社員の場合は、出勤時間や休憩時間、勤務場所などを企業が設定します。
企業としては、管理体制の下でスケジュールを統一できるため、チームとしての連携が取りやすく、日々の業務指示をスムーズに進められます。
業務委託で人材を採用するメリット・デメリット

業務委託は、専門性の高い業務を依頼するのに適している契約形態です。ここでは、企業が業務委託で人材を採用するメリット・デメリットを解説します。
業務委託で人材を採用するメリット
業務委託では、高いスキルを持つ人材に必要な業務を依頼できます。成果物を基準に契約することで、業務進行の負担も軽減できます。
また、社会保険や福利厚生などの雇用に伴うコストが発生しない点も大きな魅力です。自社の状況に合わせて柔軟にリソースが調整できるでしょう。
業務委託で人材を採用するデメリット
業務委託では、成果物のクオリティや納期を常に担保できるとは限りません。
受注者のスキルや経験値、発注時の指示内容によっては、企業が求めるレベルに達しない場合があります。
また、外部人材を活用することで、チームの一体感が損なわれたり、うまく人材の管理ができず、報酬額が割高になったりするケースもあります。
契約社員を採用するメリット・デメリット

契約社員は、管理しやすさや組織の一体感を高められるといったメリットがある一方で、コストや契約期間に関する課題も存在します。
契約社員を採用する際のメリットとデメリットを確認し、自社に合った活用方法を検討する参考にしてください。
契約社員を採用するメリット
契約社員は、企業の指揮命令下で働くため、業務の進行状況を細かく管理できます。必要な期間だけ契約を結べるため、短期的な人員補充としても活用しやすいでしょう。
また、正社員化を視野に入れた人材育成を図れ、組織文化に馴染ませやすいため、チームの一体感を作りやすいというメリットもあります。
契約社員を採用するデメリット
契約社員には、社会保険や福利厚生の負担が発生するため、企業にとってコストが高くなる場合があります。
また、原則3年以内という契約期間の制限があるため、長期的な業務には不向きです。
契約終了時に更新可否や解雇をめぐるトラブルが発生する恐れもあるため、事前のリスク対策が欠かせません。
業務委託と契約社員どちらを採用するか迷ったときの判断基準

企業が業務委託と契約社員のどちらを選ぶべきか迷った際には、業務内容や目的を明確にし、それぞれの特徴に基づいて判断することが大切です。
適切な選択をすることで、効率的に業務を進めるだけでなく、コストや管理の負担も軽減できます。ここでは、業務委託と契約社員を選ぶ際に役立つ4つの判断基準を紹介します。
業務の専門性の高さ
業務の専門性が高い場合は業務委託、汎用的な業務内容であれば契約社員が適しています。
Webデザインやプログラミングのように特定のスキルを必要とする場合には、業務委託が効果的です。一方で、一般事務や日常的な業務など、特別な専門性を必要としない業務には、契約社員が適しています。
依頼する業務内容が、どの程度の専門性を求めるのかを考えた上で選びましょう。
業務を依頼する期間・頻度
スポットで発生する一時的な業務であれば業務委託、業務を依頼する期間が長期であれば契約社員がおすすめです。
短期プロジェクトや期間限定のタスクであれば、業務委託の柔軟性が活きるでしょう。一方で、継続的な業務や長期的な依頼が必要な場合は契約社員が向いています。
どの程度の期間、どのくらいの頻度で業務を依頼する必要があるかを基準に、適切な雇用形態を選択するとよいでしょう。
コスト負担
直近のコスト負担を抑えたい場合は業務委託、将来的なコスト負担の軽減を目指す場合は契約社員が適しています。
業務委託は、企業側に社会保険や福利厚生の負担が発生しないため、直近のコストを抑えられます。継続的な固定費をかけず、必要な時にスポットでの依頼もできます。
一方で、契約社員は、社会保険や福利厚生などの負担が発生するため、業務委託よりコストがかかりやすいです。
しかし、正社員雇用を前提とした「紹介予定派遣」を導入する場合は、業務を覚えたうえで入社してもらえるため、採用活動や教育のコストを削減できます。
時間・業務管理
時間・業務管理の負担をなくしたい場合は業務委託、時間・業務管理をして進捗や実績を把握したい場合は契約社員の採用がおすすめです。
業務委託は、受注者に業務の進め方や管理を一任するため、企業は具体的な進め方の指示や時間の管理はできません。
その分、企業は自社のリソースを確保してやるべきことに集中しやすい環境を作れます。
一方で、契約社員は、企業が指揮管理を行うため、時間や業務の管理が必要です。管理者の負担は発生するものの、1人ひとりの進捗や実績を把握したうえで業務を進められます。
業務委託と契約社員の法的観点での注意点

業務委託と契約社員を採用する際には、それぞれの契約形態に存在する特有の法的リスクを理解し、適切に対策を講じることが重要です。
ここでは、業務委託と契約社員における代表的な法的な注意点を解説します。
【業務委託】偽装フリーランスに注意する
偽装フリーランスとは、業務委託契約であるものの、発注者が受注者に指揮命令を行い、実質「労働者」になっている状態のことです。
例えば、企業の担当者がフリーランスの勤務時間や業務の進め方を細かく指定することは禁止されています。偽装フリーランスに該当すると、労働基準法に違反する行為として、行政指導や罰則の対象となります。
偽装フリーランスのリスクを回避するためには、契約書に業務内容を明確に記載し、業務の進行に過度に介入しないことが重要です。
また、定期的な契約内容の見直しを行い、法的リスクを最小限に抑えましょう。
【契約社員】雇用契約のトラブルに注意する
契約社員は、雇用期間が定められている「有期雇用契約」です。例えば、企業は契約社員の契約期間が満了になるまで、原則途中で解雇することはできません。
業務中にトラブルを起こしたなど、やむを得ない事情がないのにも関わらず、一方的に契約期間の途中で解雇すると、労働契約法第17条第1項に違反します。
事前に、契約社員の雇用に関する基本的な法律を押さえ、トラブルを起こさないようにしましょう。
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まとめ
業務委託と契約社員は、法的な位置づけや契約内容が異なります。それぞれの特性を理解し、自社の業務や目的に応じて使い分けることが大切です。
例えば、専門性の高い業務や短期プロジェクトには業務委託が適しています。一方で、長期的にチームとして働く人材が必要な場合には契約社員が効果的です。
業務委託では契約内容や業務範囲を明確にして、法的トラブルを防ぐための対策を講じることが重要です。
契約社員を採用する際には、雇用契約終了時のトラブルや「無期転換ルール」にも配慮しながら、適切な管理を心がけましょう。