新規事業を成功へ導く人材とは?

新規事業人材とは、事業アイデアの創出から市場検証、事業化までのプロセスを推進できる人材のことです。
既存事業では、確立されたビジネスモデルの中で効率を高めることが主な役割です。一方で、新規事業では、答えのない状況で仮説を立て、検証を重ねながら事業の方向性を見極める力が求められます。
近年は市場環境の変化が激しく、既存事業だけに依存するリスクを避けるため、新規事業への投資を強化する企業が増えています。しかし、新規事業を推進できる人材は市場全体でも希少で、社内での育成も簡単ではありません。そのため、多くの企業が人材確保に課題を抱えています。
新規事業人材に求められる5つのスキル

新規事業は誰もが担当できる領域ではなく、事業を前に進めるためには一定のスキルが求められます。ここでは、新規事業人材に必要とされる主なスキルを紹介します。
仮説検証力
新規事業人材には、市場や顧客に関する仮説を立て、検証を繰り返す力が求められます。新規事業では最初から正解があるわけではなく、小さな検証を素早く重ねながら事業の方向性を見極めていく必要があります。
顧客インタビューや市場調査、プロトタイプ検証などを通じて仮説を検証し、学びを次の施策に活かしていく実践的な能力が重要です。
事業構想力
新規事業人材には、誰のどの課題を解決するのか、どのように価値を届け、どこで収益を得るのかを体系的に組み立てる思考力が求められます。競合環境や市場規模を踏まえながら、実現可能性のある事業構造を描けることが、新規事業人材にとって重要な能力です。
プロジェクト推進力
新規事業では、経営層の承認取得や社内リソースの確保、外部パートナーとの連携など、多くの調整が発生します。そのため、新規事業人材には、利害の異なる関係者を調整しながら、プロジェクトを着実に進めるマネジメント力とコミュニケーション能力が求められます。
不確実性への耐性
新規事業では仮説が外れたり、計画通りに進まなかったりすることが日常的に起こります。新規事業人材には、その都度状況を冷静に判断し、必要に応じて方向転換を行う判断力が求められます。失敗を恐れず、経験を学習として活かしながら前進できる姿勢も、新規事業人材に欠かせない要素です。
市場理解・顧客理解
新規事業のアイデアが市場に受け入れられるかどうかは、顧客理解の深さに大きく左右されます。新規事業人材には、定量データの分析と顧客インタビューなどの定性調査を組み合わせ、顧客の行動や意思決定の背景まで掘り下げて理解する能力が求められます。
新規事業に向いている人材の特徴

新規事業を成功させるには、既存事業とは異なるスキルや思考を持つ人材が必要です。ここでは、新規事業の立ち上げや事業開発に向いている人材の特徴を解説します。
好奇心が強い
新規事業人材には、新しい市場や技術、顧客ニーズに対する強い好奇心が欠かせません。新規事業開発では答えのない領域に挑戦するため、積極的に情報を集めながらビジネスの可能性を探る姿勢が重要になります。
業界トレンドや顧客課題に関心を持ち続けることが、新しいサービスやビジネスモデルを生み出す土台になります。「なぜこうなっているのか」「もっといい方法はないか」と問い続ける姿勢が、事業アイデアの源泉になります。
行動量が多い
新規事業の立ち上げでは、仮説検証を高速で回す行動力が重要です。市場調査や顧客ヒアリング、プロトタイプの検証などを短期間で繰り返しながら、事業の方向性を見極めていく必要があります。
思考だけで終わらせず、実際に動いて情報を取りに行く姿勢が求められます。失敗を恐れず行動を続けるスピード感は、不確実性の高い新規事業開発において特に重要な特性です。
失敗を許容できる
新規事業開発では、最初から成功するケースはほとんどありません。多くの仮説が失敗することを前提に検証を進めるため、失敗を学習として捉え、次に活かす姿勢が重要です。
短期的な成果だけでなく、長期的な事業成長を見据えて試行錯誤を続けることが求められます。なぜうまくいかなかったのかを分析し、次の挑戦に活かすサイクルを回せる人材が、新規事業に向いています。
社内外を巻き込める
新規事業の立ち上げには、社内の各部門や外部パートナーなど多くの関係者の協力が必要です。そのため、関係者を巻き込みながらプロジェクトを前に進めるコミュニケーション力とリーダーシップが求められます。
特に新規事業では、事業アイデアを社内に理解してもらい、必要なリソースを確保する力も重要です。正式な権限がなくても周囲を動かせる影響力を持つ人材は、新規事業の推進に欠かせません。
新規事業を成功させるチーム構成

新規事業の立ち上げでは、少人数のチームで仮説検証を繰り返しながら事業を成長させていくケースが一般的です。事業戦略を担う人材だけでなく、プロダクト開発やマーケティングなど、複数の役割を担うメンバーが必要になります。
ここでは、新規事業を推進するうえで重要となる主なポジションを紹介します。
新規事業責任者
新規事業責任者は、事業全体の方向性を決め、プロジェクトをリードする役割です。市場機会の探索や事業戦略の策定、事業計画の作成などを通じて、新規事業の立ち上げを推進します。
また、経営層への提案や社内の意思決定を進める役割も担うため、ビジネス視点とリーダーシップの両方が求められます。チームを牽引しながら、事業の成否に責任を持つ重要なポジションです。
事業開発(BizDev)
事業開発(BizDev)は、新規事業のビジネスモデルを構築し、事業の成長を推進する役割です。市場調査や顧客ヒアリングを行いながら、サービスの価値や収益モデルを検証します。
また、パートナー企業との提携や営業活動などを通じて事業拡大も担います。事業の「作る」と「売る」の両面に関わりながら、成長を推進する実行力が求められます。
プロダクトマネージャー(PdM)
プロダクトマネージャー(PdM)は、新規事業のサービスやプロダクトの設計・開発を統括する役割です。ユーザーのニーズを踏まえてプロダクトの方向性を決め、開発チームと連携しながら機能や仕様を設計します。
新規事業では、顧客の反応をもとにプロダクトを改善し続ける必要があります。そのため、ユーザー視点でプロダクトを成長させる役割が重要です。何を作るかを定義し、開発チームとの橋渡しを担います。
マーケティング担当者
マーケティング担当者は、新規事業の認知拡大や顧客獲得を担うポジションです。ターゲット市場を分析し、マーケティング戦略を設計したうえで、広告やコンテンツ、SNSなどの施策を通じて顧客との接点を作ります。
新規事業の初期段階では、市場の反応を検証する役割も重要です。マーケティング活動を通じて顧客ニーズを把握し、事業の改善につなげていきます。
エンジニア
デジタルサービスを伴う新規事業では、プロダクト開発を担うエンジニアの存在が重要です。プロトタイプの開発やシステム構築を通じて、サービスを形にしていきます。
新規事業ではスピード感のある開発が求められるため、仮説検証を繰り返しながらプロダクトを改善できる柔軟な開発体制を整えることが重要です。
新規事業人材が不足する3つの理由

多くの企業が新規事業を推進する中で、「新規事業人材が不足している」という課題を抱えています。これは採用の難しさだけでなく、組織構造や評価制度など複数の要因が影響しています。ここでは、新規事業人材が不足する主な理由を解説します。
既存事業にエース人材が取られる
企業では、売上や利益を生み出している既存事業が優先されるため、優秀な人材は重要なポジションに配置されがちです。新規事業に必要なスキルや経験を持つ人材ほど既存事業でも高く評価されているケースが多く、新規事業に十分なリソースを割けない企業は少なくありません。
新規事業経験者が少ない
新規事業の立ち上げを経験した人材は、市場全体でも希少です。新規事業人材には、事業開発や市場検証などの実践経験が求められるため、社内で経験者を確保することが難しいケースが多くあります。
また、既存事業の運営と新規事業の立ち上げでは求められる能力が大きく異なります。そのため、社内で評価の高い人材が必ずしも新規事業に適しているとは限らない点も、人材不足の要因となっています。
社内評価制度が挑戦に向いていない
多くの企業では、評価制度が既存事業の成果や短期的な業績を基準に設計されています。そのため、不確実性の高い新規事業に挑戦する人材が評価されにくく、挑戦のインセンティブが生まれにくい場合があります。
「失敗すると評価が下がる」という組織文化があると、挑戦意欲のある人材ほど新規事業を避けてしまうこともあります。このような制度設計の問題が、新規事業人材の育成や確保を難しくする要因になっています。
新規事業人材を確保する方法

新規事業の立ち上げ経験を持つ人材は市場でも少なく、多くの企業が人材不足に直面しています。社内人材の活用、採用、外部人材の活用など、自社の状況に応じて複数の方法を組み合わせて確保することが一般的です。ここでは、新規事業人材を確保する主な方法を紹介します。
社内人材をアサインする
新規事業人材を確保する方法の1つに、自社の社員から新規事業開発を担う人材を選抜してアサインする方法があります。社内人材は自社の事業や組織文化を理解しているため、既存事業との連携や社内調整を進めやすいという利点があります。
また、新規事業プロジェクトに参加させることで、事業開発の経験やスキルを組織内に蓄積できる点もメリットです。
| メリット | ・自社の事業や顧客を理解している ・社内調整や意思決定を進めやすい ・新規事業開発のノウハウを社内に蓄積できる |
| デメリット | ・新規事業経験を持つ人材が社内に少ない ・既存事業との兼務になりやすい ・挑戦を評価する制度がないと推進力が弱くなる |
中途採用で確保する
新規事業人材を確保する方法では、新規事業の立ち上げや事業開発の経験を持つ人材を中途採用する方法もあります。外部から人材を採用することで、事業開発のノウハウや外部の知見を社内に取り込めます。
特に、新規事業責任者やBizDevなどのポジションを採用すれば、事業アイデアの検証から事業化までをリードできる人材を確保できます。
| メリット | ・事業開発スキルを持つ人材を確保できる ・外部の成功事例や知見を取り入れられる ・新規事業チームの立ち上げをリードできる |
| デメリット | ・市場での希少性から採用難易度が高い ・採用コストや年収が高くなりやすい ・自社文化への適応に時間がかかる |
外部プロ人材を活用する
新規事業人材の確保には、新規事業開発の経験を持つ外部のプロ人材を、業務委託や副業などの形で活用する方法もあります。事業開発や新規事業立ち上げの経験を持つ人材をプロジェクト単位で参画させることで、短期間で必要な知見やスキルを取り込めます。
近年は、副業人材やプロフェッショナル人材のマッチングサービスを活用し、新規事業の立ち上げを支援してもらう企業も増えています。
| メリット | ・専門スキルをすぐに活用できる ・必要な期間・プロジェクト単位で柔軟に活用できる ・採用より短期間で人材を確保できる |
| デメリット | ・社内にノウハウが蓄積されにくい場合がある ・プロジェクト終了後も継続支援が必要になる場合がある ・社内メンバーとの役割分担を明確にする必要がある |
新規事業人材の採用におすすめの業務委託マッチングサービス

即戦力となる新規事業人材を確保したい場合は、業務委託マッチングサービスの活用が有効です。ここでは、業務委託で新規事業人材を採用できる代表的なサービスを紹介します。
SOKUDAN(ソクダン)

SOKUDAN(ソクダン)は、フリーランスや副業で活動する即戦力人材と企業をつなぐマッチングサービスです。事業開発(BizDev)や新規事業責任者、プロダクトマネージャー、マーケティング責任者など、新規事業の立ち上げに関わる専門人材が多数登録しています。
初期費用0円で利用でき、5社中4社がリピートしている実績があります。募集から最短60分で人材と出会えることもあり、スピードを重視する企業にも適したサービスです。
CrowdLinks(クラウドリンクス)
CrowdLinks(クラウドリンクス)は、企業とハイクラスの副業人材をつなぐ副業特化型のマッチングプラットフォームです。新規事業人材を含む12.8万人のハイクラス副業人材が登録しており、累計導入企業は1,700社を超えています。
SOKUDANと同様に、ダイレクトマッチング方式を採用しているため、仲介手数料なしで採用できる点が特徴です。
HighClass(ハイクラス)
HighClass(ハイクラス)は、経験豊富なハイクラス人材に特化した人材紹介サービスです。大手企業での事業企画・経営企画や、スタートアップでの事業開発、新規事業の立ち上げを経験した人材が多く登録しています。
なお、契約形態は運営会社であるヴァンテージマネジメント社を介した業務委託となる点に注意が必要です。
マイナビProfessional
マイナビProfessionalは、約60,000名のプロ人材・顧問データベースから最適な人材を紹介し、チームを組成するサービスです。マイナビの専任担当が、人材の選定から体制構築、実務の進行管理まで一貫してサポートします。
新規事業の課題に対しても、各分野のエキスパートを組み合わせたオーダーメイドの支援体制を構築できます。初期費用は不要で、人材報酬と手数料のみでスモールスタートできる点も特徴です。
HiPro Biz(ハイプロビズ)
HiPro Biz(ハイプロビズ)は、事業会社やアカデミアで経験を積んだ上級役職者や、テクノロジーに精通した専門家を提案するコンサルティングサービスです。新規事業人材も多数登録しており、経営顧問やアドバイザーとして支援を受けられます。
既存の顧問契約とは異なる形でプロフェッショナル人材を活用したい企業に適したサービスです。
新規事業における業務委託人材の活用事例

最後に、実際にSOKUDAN(ソクダン)を活用して新規事業人材の採用に成功した事例を紹介します。
新規事業の立ち上げに成功(三菱地所株式会社)
大手不動産会社の三菱地所は、家事代行サービスの新規事業立ち上げにあたりSOKUDANを活用しました。社内に新規事業の立ち上げ経験や家事代行ビジネスに詳しい人材がいなかったことから、外部プロ人材の活用を検討したことがきっかけです。
SOKUDANを通じて事業フェーズに応じた複数のプロ人材を採用し、新規事業のコア機能を外部人材で補完しました。BizDev人材の支援により約1年半の検証を経て正式事業化に成功し、CS人材の支援によってサービス運営の基盤も整備されています。
また、「他サービスよりも連絡や提案が迅速で、新規事業フェーズに合う人材像を相談できた」という点が評価されており、プロフィール一覧から直接候補者を選べる仕組みも採用側にとって使いやすかったとされています。
事業開発・マーケティング体制を強化(株式会社SHIFT AI)
AI分野の事業を展開する株式会社SHIFT AIは、新規事業の立ち上げ段階で人材不足に直面していました。正社員採用ではスピードが追いつかないことから、業務委託人材による体制強化を方針とし、SOKUDANを活用しました。
その結果、事業開発とマーケティングという新規事業の中核領域を担う2名の人材を確保し、立ち上げスピードを落とさずに体制を整えることに成功。
SOKUDANには、新規事業の実務経験を持つプロ人材が登録しているため必要な人材を見つけやすく、人材選定から面談、業務開始までを短期間で進められた点が評価されています。
さらに、人柄や価値観、企業カルチャーとの相性も含めて判断できたことで、事業に共感し主体的に動ける人材とマッチングできたとされています。
新規事業の即戦力人材を合計5名採用(+81株式会社)
ビジネスインキュベーション事業を展開する+81株式会社は、新規事業の立ち上げにあたり、事業企画やマーケティングの専門スキルを持つ人材が社内に不足しているという課題を抱えていました。
そこでSOKUDANを活用し、新規事業の企画やマーケティングなど専門領域に特化した人材を合計5名採用することに成功しました。必要な専門人材をピンポイントかつスピーディーに確保でき、新規事業を推進する体制を早期に整えられた点が成果として挙げられています。
さらに、業務委託人材が持つ他社での経験や新規事業の実務知見を取り入れることで、外部視点のノウハウを事業に活かせた点も評価されています。
まとめ
新規事業を成功させるには、既存事業とは異なるスキルや思考を持つ人材の確保が重要です。仮説検証力や事業構想力、プロジェクト推進力などを備えた人材が、新規事業の立ち上げや成長を支えます。
しかし、新規事業の立ち上げ経験を持つ人材は市場でも希少であり、多くの企業が人材不足という課題に直面しています。そのため、社内人材の活用や中途採用だけでなく、業務委託や副業人材など外部のプロ人材を活用する方法を組み合わせて人材を確保することが重要です。
特に、新規事業の立ち上げスピードを重視する場合は、即戦力となる外部人材の活用が有効です。SOKUDAN(ソクダン)のようなマッチングサービスを活用することで、事業開発やマーケティングなど専門領域の人材を短期間で確保し、新規事業を推進する体制を整えられます。
自社の事業フェーズや組織体制に合わせて適切な人材戦略を設計し、新規事業の成功につなげていきましょう。


