業務委託報酬に関する基本知識

業務委託の報酬を決めていくにあたり、「契約形態」と「報酬」に関する基本知識を確認していきましょう。それぞれのキーポイントとなる用語を理解してくださいね。
業務委託契約と雇用契約の違い
主にフリーランスや外部の事業者と結ぶ契約が「業務委託契約」で、正社員やアルバイトと結ぶ契約が「雇用契約」です。
2つの契約形態は、目的や契約者に求めるポイントが異なります。
- 業務委託契約:成果物の納品や業務の遂行
- 雇用契約:労働力の提供や業務への従事
業務委託は、システム開発や経営コンサルティングなど、特定の業務を依頼し、成果物の納品や業務の遂行をしてもらうことが目的です。一方、雇用契約は、自社の社員として「労働力」を提供してもらうことを目的としています。
報酬と給与の違い
報酬と給与は、どちらも働きに対する支払いではありますが、支払う対象者や勘定項目が異なります。
| 支払う相手 | 勘定科目 | |
| 報酬 | フリーランス・法人 | 業務委託費・外注費など |
| 給与 | 従業員 | 給料賃金・給与手当など |
報酬は、業務委託などの雇用契約をしていないフリーランスや法人に支払う費用です。勘定項目は「業務委託費」や「外注費」です。給与は、雇用契約を結んでいる従業員に支払う費用で、勘定項目は「給料賃金」や「給与手当」となります。
業務委託報酬の種類・特徴

業務委託の報酬は、「固定報酬型」「成果報酬型」「複合型報酬」の大きく分けて3種類あります。それぞれの特徴やメリットを解説するので、自社に合った報酬形態を考えるヒントにしてください。
【固定報酬型】毎月一定額の支払い
「固定報酬型」は、毎月一定額の報酬を支払う報酬形態です。例えば、プログラム開発を行っているエンジニアに対して、毎月30万円支払う場合が該当します。
固定報酬型は、継続的に安定して業務を依頼したい場合に適しています。企業にとっては、計画的に予算管理ができ、経理業務の負担が少ない点がメリットです。
フリーランスにとっては、毎月安定した収入が入ります。そのため、安定した稼働率を担保できる人材からの募集を募れる可能性が高いでしょう。
【成果報酬型】成果に応じた支払い
成果報酬型は、業務の成果に応じて支払い額が決まる報酬形態です。例えば、営業職に対して新規顧客を獲得した件数に応じて、報酬を支払う場合が該当します。
成果が発生した場合にのみ支払いが発生するため、固定報酬型に比べて無駄なコストを抑えやすい点がメリットです。ただし、フリーランスが高い成果を上げた場合は、報酬額が大きくなるため、支払い額が当初の想定を上回る可能性もあります。
【複合型報酬】成果報酬と固定報酬の組み合わせ
複合型報酬とは、成果報酬と固定報酬を組み合わせた報酬形態です。例えば、毎月10万円の固定報酬を支払いつつ、成果に応じてインセンティブを支払う場合が該当します。
固定報酬による安定感を維持しながら、成果に応じて報酬を支払うことで、フリーランスのモチベーションを高め、パフォーマンスを向上させやすい点がメリットです。
業務委託報酬の決め方・交渉のポイント

求めている成果を得たり、人材を確保したりするためには、適切な報酬額を決め、フリーランスと交渉していくことが大切です。ここでは、業務委託報酬の決め方や交渉のポイントを紹介します。
職種ごとの相場を確認する
はじめに、職種ごとの相場を確認し、適切な報酬設定を行いましょう。相場を把握していないと、過剰な報酬や、適正価格を下回る報酬となり、求めているスキルを持った人材が集まらない恐れがあります。
相場は、職種や業務の内容によって大きく異なります。募集する職種や依頼業務の相場を確認し、適切な報酬を見定めるようにしましょう。
業務にかかる時間を考慮して決定する
報酬を決める際は、依頼する業務にかかる時間を確認しておきましょう。業務にかかる時間を考慮せずに決めると、フリーランスにとって「割に合わない案件」と判断されてしまう恐れがあります。
例えば、平均10時間かかる仕事を、固定報酬型・報酬1万円で依頼すると、フリーランスにとっては時給1,000円の案件となります。時給換算した際にいくらになるかを確認し、職種ごとの相場から大きくズレていないかを確認するようにしましょう。
フリーランスの実績を考慮する
相場だけでなく、フリーランスの経験や実績に応じて、報酬額を調整することも大切です。高いスキルや豊富な経験を持つフリーランスに対しては、設定した報酬額に上乗せした金額を提示することで、依頼を受けてもらえる可能性が上がります。
企業ごとに予算はありますが、実績を考慮した金額で優秀な人材に業務を依頼することで、期待以上の成果を得られる可能性が高まるでしょう。
【独自調査】業務委託の報酬相場

職種ごとの相場を確認することが重要だと前述しました。ここでは職種別の業務委託の報酬相場を見てみましょう。フリーランス・副業向けの案件マッチングサイト「SOKUDAN(ソクダン)」が独自に調査した報酬相場は、次の通りです。

機械エンジニアをはじめ、iOS/Androidエンジニアやインフラエンジニアなど、エンジニア職の報酬額が高いことが分かります。
また、コンサルティングやインフラマネージャーなど、専門的なアドバイスをしたり、業務の責任者として立ち回ったりする職種も上位を占めています。
本データは指標の1つではありますが、業務の専門性が高く、業務の責任を担う職種は、平均時給・月給が高くなるケースが多いです。
業務委託で理想のフリーランスを見つけるためのポイント

ここからは、業務委託するにあたって、理想のフリーランスを見つけるための3つのポイントを解説します。ポイントを押さえて、ベストな形で業務を依頼する土台を築きましょう。
業務内容・専門性に合った報酬を設定する
依頼したい業務内容・専門性に対して適切な報酬を設定することで、適切に対応できるスキルを持った人材を確保しやすくなります。
フリーランスが仕事を選ぶ際は、「業務内容と報酬が見合っているか」を非常に重視しています。特に、専門性が高い案件ほど、一般的な相場より上乗せされた報酬になっているかを意識するフリーランスが多いです。
そのため、依頼する業務内容・専門性と似た案件の相場を参考にしつつ、予算に合った報酬を設定するとよいでしょう。
業務内容を明確にする
募集をかける前に、必ず業務内容を明確にしてください。業務内容が曖昧なままでは、適切な報酬設定ができず、募集内容が不透明で人材が集まらない可能性が高まります。
例えば、ライターに記事制作を依頼する場合は、次のように業務内容を整理して、募集するとよいでしょう。
- ジャンル:フリーランス・副業人材の採用について
- 文字数:1記事5,000文字前後
- 記事単価:20,000円(税込)
- 業務内容:当社で作成した構成に沿って、本文の作成を行う
- 納期:構成をお渡ししてから、7日以内
このように、「どんな業務のどの部分を依頼したいのか」に加え、「予算や納期はいくらなのか」を明確にすると、フリーランスが応募するかどうかを検討しやすく、契約後のトラブルも未然に防げます。
複数のサイトで報酬額を確認する
複数のサイトで、同じ職種・業務内容の報酬額を確認することで、目安となる金額が分かり、より希望のスキルや経験を兼ね備えたフリーランスを見つけられる可能性が高まります。
自社が求めている人材を具体的にイメージしたうえで、複数のサイトを活用し、より理想の人材に出会う確率を上げていきましょう。
業務委託の報酬で源泉徴収・支払調書は必要?

業務委託の報酬が発生した場合に、忘れてはならないのが適切な経理処理です。ここでは、業務委託の報酬に関わる、「源泉徴収」と「支払調書」について解説します。
源泉徴収とは?
源泉徴収とは、報酬や給与を支払う際に、所得税をあらかじめ差し引いて、報酬を受け取る側に代わって納付する制度です。税金の未納を防ぐために設けられています。
対象となるのは、講演料や原稿料などです。支払い者である企業は、報酬を受け取る側の所得税を計算し、報酬から控除して税務署に納めます。
▼参考:No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁
支払調書とは?
支払調書とは、業務委託報酬の支払い内容や源泉徴収額を明記する法定調書の1つです。報酬を支払う事業者が税務署に提出する義務があり、正確な経理処理を行ううえで重要な役割を果たします。
支払調書は、大きく分けて次の4種類です。
- 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
- 不動産の使用料等の支払調書
- 不動産等の譲受けの対価の支払調書
- 不動産等の売買又は貸付のあっせん手数料の支払調書
業務委託報酬を支払う多くの場合は、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」に該当します。支払調書を提出しなかった場合、事業者は1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる恐れがあるので注意しましょう。
源泉徴収・支払調書の発行が必要なケース
フリーランスに依頼した業務が、国税庁が指定する源泉徴収の対象業務に該当する場合は、支払調書を税務署に提出する義務があります。
また、法律上、業務委託契約を結ぶフリーランスなどに対して、源泉徴収票の発行義務は定められていません。一般的には支払調書を送付します。フリーランスから発行を求められた際は、確定申告が始まる前までに支払調書を作成して、送付するのが望ましいです。
▼参考:No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等|国税庁
業務委託をするときに気をつけるべきポイント

業務委託をする際には、違反行為に気をつけつつ、契約後にスムーズに業務が進むように準備をしておくことが大切です。業務委託をする際に、必ず気をつけたい3つのポイントを見ていきましょう。
偽装フリーランスに注意する
業務委託契約を結んで、フリーランスに仕事を依頼する際は、偽装フリーランスに該当しないよう注意が必要です。偽装フリーランスとは、業務委託契約でありながら、実質的に雇用契約と同じ状態になっているケースを指します。
業務委託契約は、企業がフリーランスに対して業務を委託する契約です。雇用契約とは違い、基本的に業務の進め方や勤務時間はフリーランスに裁量があり、企業は業務に関する細かい指示や時間管理はできません。
偽装フリーランスと判断された場合は、企業には罰金や労働基準法違反によるペナルティが科されるリスクがあります。しっかりと業務委託契約の仕組みを理解し、偽装フリーランスに該当しないように注意しましょう。
契約書を作成する
業務委託契約を締結する際は、契約内容を明文化した契約書を必ず作成してください。業務委託契約書には、以下の項目を明記しましょう。
- 業務内容
- 報酬額
- 納期
- 支払い条件
契約書がないと、業務範囲や報酬に関するトラブルが発生した際に、解決が難しくなる可能性があります。口約束やメールのやり取りだけで業務を開始することは絶対に避けてください。
契約書を締結することで、双方の認識のズレを防ぎ、トラブルを未然に防ぐことにつながります。
相談・連絡を取れる体制を整える
業務委託をスムーズに進めるためには、フリーランスと相談や連絡が取りやすい体制を整えることが欠かせません。
コミュニケーション不足は、成果物の品質低下や納期遅れなどのトラブルを招く可能性があるため、次のような対応を取り入れましょう。
- 定期的に進捗確認の場を設ける
- 急なトラブルに備え、対応窓口を明示しておく
- キックオフミーティングを設け、相談しやすい雰囲気を作る
円滑なコミュニケーション体制を構築することで、信頼関係を深め、スムーズな業務遂行が可能になります
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業務委託で優秀な人材を探している企業には、「SOKUDAN(ソクダン)」の利用がおすすめです。SOKUDANは、フリーランスや副業人材を探す企業と、専門スキルを持つプロ人材をマッチングするサービスです。
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まとめ
業務委託する際は、職種と業務の専門性、想定される実働時間に見合った報酬を設定しましょう。適正な報酬を設定しないと、フリーランスから応募が入らない、交渉が進まないなど、優秀な人材の確保ができない恐れがあります。
職種ごとの相場を確認したうえで、業務にかかる時間やフリーランスの実績を加味して、報酬を決めるとよいでしょう。

