公開日:2025.01.31 最終更新日:2026.03.03

業務委託費はどんな勘定科目?仕訳例や外注費との違いを解説

フリーランスや外部の事業者に、自社の業務の一部を依頼する際に発生するのが「業務委託費」です。外部に業務を依頼する際には、どのような費用が業務委託費に該当するかを理解し、適切に経理処理を進めることが大切です。

この記事では、業務委託費の勘定科目を解説します。業務委託費の仕訳例や、混同されやすい外注費の解説もするので、ぜひ参考にしてください。

業務委託費とは?

COSTと書かれた画像

業務委託費とは、フリーランスや外部の事業者に、自社の業務を委託する際に支払われる費用を指します。例えば、フリーランスのエンジニアへのシステム開発や、コンサルタントへの業務改善支援の依頼費用などが挙げられます。

専門的なスキルが必要な業務や、自社で対応が難しい業務を依頼する際に用いられるのが業務委託費と覚えておきましょう。

外注費との違い

業務委託費と外注費は、どちらも外部に業務を依頼した際に発生する費用を指しますが、分類の範囲や使用される場面に違いがあります。

業務委託費は、請負契約をはじめ、委任契約や準委任契約に基づいて業務を委託した際に発生する費用です。

一方、外注費は、製造業や建設業などで特定の作業を外部に依頼する場合に使われることが一般的です。

例えば、フリーランスのデザイナーにロゴ制作を依頼する場合は業務委託費、製造業で部品の加工を外部企業に依頼する場合は外注費に該当します。

人件費との違い

業務委託費と人件費の違いは、雇用関係の有無にあります。

業務委託費は、雇用契約をしていない、フリーランスや外部の事業者に支払う費用です。人件費は、雇用契約を結んでいる正社員やアルバイトに支払う給与や手当が該当します。

例えば、社内のデザイナーに対する給与は人件費に分類されますが、フリーランスのデザイナーに同様の業務を依頼する場合は業務委託費として仕訳されます。

業務委託費として計上できる費用

オッケーサインを出す女性

業務委託費として計上できる費用の一例は以下です。

費用の種類内容具体例
業務委託料フリーランスや外部企業に業務を委託する際の費用システム開発、デザイン制作の依頼料
支払報酬料特定の専門職(弁護士、税理士など)に支払う報酬税務相談や法律相談の依頼料
下請費・加工賃製造や建設業などで、特定の工程を外部に委託した際の費用部品加工、製品の一部工程の依頼
銀行手数料業務委託に関連して発生した銀行振込手数料銀行振込時に発生する手数料

業務委託費は、基本的に雇用関係のない外部に業務を依頼した際に発生する支出が該当します。税務監査の際に問題が発生しないよう、契約内容や取引記録を明確に残しておきましょう。

業務委託費の勘定科目・計上例

「例」と書かれた付箋

続いて、業務委託費の勘定科目・計上例を解説します。ケースごとの計上例を確認し、適切に仕分けられるようにしてください。

デザイナーにポスターの制作を依頼した場合

フリーランスのデザイナーにポスターの制作を依頼し、20万円を支払った場合の仕訳例です。

借方金額貸方金額
業務委託料200,000円現金

預り金
179,580円

20,420円

勘定科目は「業務委託費」で処理し、源泉徴収は業務委託費に対して10.21%を徴収し、預り金として計上します。

外部コンサルタントに経営マネジメントを依頼した場合

外部コンサルタントに経営マネジメントを100万円で依頼し、普通預金で振り込む場合の仕訳例です。

借方金額貸方金額
業務委託料

仮払消費税など

銀行手数料
1,000,000円

100,000円

500円
現金1,100,500円

ここでは、指定口座への振り込み手数料が入っている点がポイントです。

受付業務を委託した場合

自社の受付業務を専門業者に毎月30万円で委託する場合の仕訳例です。

借方金額貸方金額
業務委託料

仮払消費税など
300,000円

30,000円
現金330,000円

取引先が法人の場合も、業務委託料と消費税をそれぞれ計上します。消費税は「仮払消費税」として計上することで、後日仕入税額控除の対象になります。

業務委託費のコストを抑えるためのポイント

お金と電球が描かれた画像

業務委託費を適切に管理することで、経営の安定化や利益率の改善が期待できます。ここでは、業務委託費のコストを抑えるためのポイントを4つ解説します。

相場を確認する

フリーランスや外部の事業者に業務委託する際は、必ず相場を確認してから発注しましょう。

相場を無視した安価な条件で募集すると、人材が集まらなかったり、「この会社はフリーランスを安く使おうとしている」というマイナスイメージを与えたりする恐れがあります。

一方で、高すぎる条件を提示してしまうと、予算オーバーにつながるリスクもあります。そのため、職種や依頼業務の相場を考慮しましょう。

業務内容を明確にする

業務範囲が曖昧だと、フリーランスに誤解を与え、度重なる修正や追加作業が発生して予算が膨らむリスクがあります。そのため、業務を依頼する際には、具体的な業務内容や納品物、期待する成果を明確に整理しておきましょう。

例えば、WebデザイナーにLP制作を依頼する場合は、「全体のデザインだけでなく、ボタンの文言やCTAも提案してほしい」など、具体的な要望を事前に共有することが大切です。

業務内容を明確にして依頼することで、フリーランスも効率よく仕事を進められるため、双方にとって満足度の高い契約になります。

トライアルを設ける

事前にトライアルを行うことで、フリーランスのスキルやコミュニケーション力を確認でき、ミスマッチによる無駄な支出を防げます。

例えば、ライティング業務を依頼する場合は、初回に1記事のみを納品してもらい、記事の内容や品質を確認してから、正式に継続契約を結ぶとよいでしょう。トライアルでは、本採用の単価から少し安くするケースが多いです。

トライアルはコストを削減するだけでなく、企業とフリーランスがお互いの相性を図ったうえで、長期的に安心して取引できるかを判断できるのでおすすめです。

優秀な人材が集まるプラットフォームを活用する

フリーランスや副業人材を募集するプラットフォームは、サイトごとに特徴が異なります。なかでも、経験年数が多い人材が集まるプラットフォームや、特定の職種に特化したプラットフォームの利用がおすすめです。

経験年数が多い人材が集まるプラットフォームを活用すれば、少ない修正回数で高品質な成果物が期待できるため、結果としてコストを抑えられます。

また、職種に特化したプラットフォームでは、特定分野に精通した人材を効率的に見つけられるため、適切な報酬で必要なスキルを持った人材を確保しやすいでしょう。

業務委託費に関するよくある質問

Q&Aと書かれた画像

最後に、業務委託費についてよく寄せられる3つの質問にお答えします。疑問を解消して、安心して業務委託の経理や税務処理をできるようにしましょう。

業務委託費は源泉徴収が必要?

業務委託費全てが源泉徴収の対象となるわけではありません。源泉徴収が必要かどうかは、業務内容によって判断されます。

例えば、原稿料や講演料、弁護士や税理士などに依頼する業務は、源泉徴収の対象になります。支払い先が法人の場合は、原則として源泉徴収は不要です。

源泉徴収の対象となる範囲は、以下の国税庁のホームページで確認できます。

▼参考:No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁

業務委託費の消費税は課税対象になる?

業務委託費は、消費税の課税対象です。支払う側(企業)は、本来の対価額に消費税を加えた金額を支払う必要があります。

また、業務委託先がインボイス発行事業者である場合は、インボイスを受け取ることで消費税分を仕入税額控除に含めることができます。

外注費と業務委託費はどう使い分けるべき?

外注費は、主に製造業や建設業に関連する支出に使用され、業務委託費はフリーランスを活用した幅広い業務に適用されます。

例えば、部品加工を依頼する場合は外注費、フリーランスデザイナーにロゴ制作を依頼する場合は業務委託費に該当します。

まとめ

業務委託費とは、フリーランスや外部の事業者に、自社の業務を委託する際に支払う費用です。業務を委託する際に発生した、業務委託料や支払報酬料、報酬を銀行に振り込む際に発生した銀行手数料などが、業務委託費として仕分けられます。

業務委託費のコストを抑えるためには、相場を確認して適切な価格で発注したり、トライアルを設けてフリーランスのスキルを図ったりすることが大切です。業務委託費の概要や仕分け方法を理解し、適切に経理業務を進められるようにしましょう。

SOKUDANの資料請求の画像
笹まい

この記事を書いた人

笹まい

フリーランスライター

専門商社などで営業職・営業アシスタントの経験を積んだ後、副業からライター活動をスタート。現在はフリーランスライターとして活動中です。私自身働き方に悩んだ経験を活かして、読者のみなさまにとってベストな働き方を見つけるヒントになるような記事をお届けします。

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